第26章 シカマル受難
「取り引きがすむまでお前は俺の金を預かっている銀行同様だ。もっと肉をつけろ。背を伸ばせ。鬼鮫並みに育て。体がでかくなれば血も増える。ブリーダーの心が今読めた」
「それは完全に読み違えですよ。あぁ、奈良くん・・・何もしてないのに気の毒な・・・」
「油断大敵だ。何時も気を抜いてはいかん。いつ金になる話が転がり込んでくるかわからんのに、ぼんやりしているようなヤツは殴られても仕方ない」
「71億総人口ほぼ全員が殴られても仕方なくなりますよ・・・アンタ滅茶苦茶だ」
「滅茶苦茶でもいい。太った財布に育って欲しい」
「大きくなれよ・・・って、古過ぎだ長老。アンタホント金の話ばっかですね」
「俺は人見知りでな」
「さっぱり訳がわからない・・・」
「わからなくても一向にかまわない。大人しくしていろ」
角都は牡蠣殻を担ぎ直して、木の葉の山並みを見回した。
「砂に行く。用がすんだら返してやるからくれぐれも逃げ出すな。鬼鮫と違って俺は短気だ。殺すとは言わん。しかし逆らうと死ぬぞ?」