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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第24章 It's foolish bird that own.


「あなたのする事はどうも小賢しくていけない。もっとデカイ事をするんじゃなかったんですか」
立ち上がって鮫肌を抜く。
デイダラは更に退きながら笑った。
「オメエ程度にデカイこた必要ねえだろ?それにしてもオメエはソイツで削んのが好きで仕様がねえンだな。まるでガキの玩具だぜ。うん?」
「おや、削られるのは気が進まない様ですね。では鮫肌なしでやりますか?丁度いい。どこかのバカどものせいで、今手入れがままなりませんからね。カブトのときも後悔しましたよ」
鮫肌を鞘に戻して、鬼鮫はせせら笑った。
「言っとくけどな、そいつは飛段がやったんだからな!オイラは関係ねえぞ!」
「やったも同然ですよ。喜んでたじゃないですか」
「いい加減にしろ。まるで子供の喧嘩だ」
イタチが溜め息を吐いて割って入った。
「鬼鮫、牡蠣殻さんはどうした?本当にまた逃げられたのか」
鬼鮫は眉を上げてイタチを見下ろした。デイダラがザマミロと言いたいところをぐっと堪えて耳を澄ましている気配がある。
「案外不粋なんですねえ、イタチさん」
「お前は思っていたより気が長いようだな。次にいつ会えるかわからないぞ。きちんと話したのか?」
「また伝書でやり取りすんのか?健気だな、うん?」
「・・・何なんです、あなた達は。話ならしましたよ」
去り際の牡蠣殻を見たときの心持ちと先刻の杏可也とのやり取りとが合間って、鬼鮫はひどく腹が立ってきた。
「中途半端にね。あの人は人の話をまともに聞きゃしないんですから。思えば言いたい事を最後まで言えた試しがない気がしてきましたよ・・・」
牡蠣殻は磯に帰るとは言わなかった。今磯のある木の葉に戻ると言った。含みがある。問い質す前にあの女はまたも消えた。
「兎に角二人とも、人の事にくちばしを突っ込んでないでお帰んなさい。遊びに来たんじゃないですよ」
「何だ、オメエはどうすんだ?拐いに行くのか?うん?」
にやにやするデイダラへは一瞥もくれずに、鬼鮫はその丈高い体をスイと伸ばして木の葉の方角を眺めやった。
「そうですね。そうしましょう。何処にいても同じなら側にいた方がいい。腹を立てるなら本人の顔を見て立てた方が後生もいい」
首を捻って独りごちる。
「大体何だってあの人の気持ちを尊重しようなんて思ったんでしょうね、私は。馬鹿馬鹿しい。どうかしてましたよ」
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