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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第23章 散開前


波平は牡蠣殻を見、牡蠣殻は波平を見た。
「・・・であれば私は磯を抜けましょう」
牡蠣殻は両腕を伸ばして手を卓に着き、心持ち俯いた。肩の荷が降りた体に見える。
「・・・そうか」
波平もフと両肩を下ろして息を吐いた。
「里の者には文にて通達される事になっている。今頃は各々行く末を考え始めているだろう。忙しくなるがそれも昼からの事」
波平は湯呑みを伏せて立ち上がった。
「最後に一献傾けよう。付き合ってくれるかな、補佐殿」
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