第14章 汐田藻裾
「渾名は封じ込んで、今回はくれぐれもよろしくお願いしますね。杏可也さんは身重ですし、木の葉の人達に集まられては面倒だ。いちいち立て直す手間はとれませんよ」
「渾名?」
訝しんだデイダラに、藻裾と牡蠣殻は同時に答えた。
「自陣崩しの汐田」
「・・・うっわ、サイテーの渾名だな、うん」
「ゲハハハッ、いーじゃねえか。気に入ったぜ」
「・・・オメエわかってねえだろ。これからコイツと組むってのに、死刑宣告されたようなモンだぞ、オイラたち」
「俺ァ死なねえもん」
「オイラは角都みてえに世話焼きじゃねえからな。テメエの首はテメエで拾えよ?うん?」
「そオ?構わねえや、牡蠣殻に拾って貰うからよ。なァ?」
「何で私がそんなモノを・・・首くらい自分で管理して下さいよ・・・」
「首なんかどォだっていいですわ。早いとこ杏可也さんとこ行きますよ。はい、チャキチャキチャキチャキ」
藻裾は急かしながら牡蠣殻の顔を掬い上げるように見た。
「牡蠣殻さんと絡むの久し振りですね。よろしくお願いしますよォ」
牡蠣殻は顔をしかめて上体を退く。
「万事お手柔らかに。本当に頼みますよ、汐田さん」
「くふ・・・・任せといて下さいよォ」
ヒトの悪い顔で含み笑う藻裾に不審の目を向け、牡蠣殻は口を引き結んだ。
こんなメンバーで押し掛けて、果たして状況は好転するのだろうか・・・