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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第14章 汐田藻裾


深水は必ず木の葉に現れる。
彼が愛妻家である事は押さえてあった。そしてその妻が今身重である事も。
カブトは木の葉が一望出来る山の上で、里の瞬く灯りを見下ろしていた。
杏可也という深水の妻を押さえてしまえば深水は自ら音の手に落ちるだろう。磯影の姉でもあるという杏可也だが、磯影自体が有名無実、更に木の葉と同盟にあるとはいえ弱小で本草をおいて取り柄もない磯の者に厳重な警備がつくかどうか。
実直な深水が何もかも吐いている可能性もある為油断は出来ないが、杏可也を拐う手筈はつけてある。深水が木の葉に入ると厄介な事になる。
大蛇丸は意外にもあまり興味を示さない今回の検体、牡蠣殻だが、数に任せた戦いでは使いようによって彼女の血液の特性が大きな武器になる。更に伝染性を半永久的なものに改良出来れば、人間兵器を何体も造り出す事も可能だ。色々と問題はあるが、それだけに研究のしがいもある。
「まあ仕方ない。大蛇丸様は今サスケくんに夢中だからな」
カブトは呟いてフードを目深く被った。
暁は絡んで来るだろうか。
フと口の端をあげてカブトは傍らの木に寄り掛かった。
「どうせ現れるなら牡蠣殻を拐うときにして欲しいね。是非顔を見せてくれよ・・・干柿鬼鮫」
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