たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第4章 休符
「なぜ、このような惨状であるのかを教えて頂きたい。」
ズバリ、単刀直入に質問する。このような状態に回りくどい質問など無意味に思えたからだ。
「じゃあまず一番最初に知っておいてもらいたいことがある。、、ここは元々違う主の本丸だったんだ。そして初期刀が僕だった」
この事実だけでも驚いたが、歌仙の話は続いた。
「先代の主はとても優しくて、心が澄んでおられる御方だった。だけど急に、急に行方が分からなくなったんだ。」
「それは、一体?」
すると今まで淡々と話していた歌仙が大きく肩で息をした。先代のことを話すのは辛いらしい。
「ある夏の日、現世に戻ると言ってそれっきりさ。生きているか死んでいるのかもさえも全く分からないのさ」
「それで、、、あの方が配属されたのですね」
その問いに、歌仙は静かに首を縦に振った。