たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第7章 大いなる約束の大地チンギスハーン
目まぐるしく変化するこの現場で、寺町は冷静に目の前の男を分析する。
今、目の前にいる鞍馬は過去の経歴が一切嘘でなぜか市内の神社の紋様が手の甲に浮かんでいる。しかも人ではない。
やはりこいつは位の高いバケモ…。
いや、まさかそれはないだろう。だがその可能性があるなら潰しておかねば。
後ろの井沢に聞いてみた。
「おい井沢。あそこ、国富神社に奉られてる神ってなんて名前だ?」
「あそこは確か…注川守布志名主、だったかな。でもそんな訳」
「あぁ!!もういい!!」
井沢との話を強引に打ち切り、目の前の鞍馬に向き直る。
「ほう、ようやく分かったか」
やはり思考を見透かした様に言う鞍馬に自分の考えをぶつけた。
「あんたはまず人じゃない。あんたは…国富神社で奉られてる注志川守布志名主だ!!」
言い切った瞬間、鞍馬の体から日の出の様な光が発せられた。どうやら正解らしい。