たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第7章 大いなる約束の大地チンギスハーン
「な、なんなんだこいつ!!」
何人もの捜査員が叫んだ。一応、特殊な訓練を受けた者達があそこまで手出し出来なくなるとは…益々正体が分からなくなった。
「そんなに私の正体が知りたいですか?」
寺町の心を見透かしたように鞍馬が問うた。そして、その金色の瞳に見つめられ思わず何度か頷く。
すると、鞍馬が自分達に手の甲ををつき出してきた。それを見れば、何やら家紋の様な物が綺麗に浮かび上がっていた。
何処かで見たことがある紋様。だか何処で見たか思い出せない。一人苦しんでいると、それを察してか捜査員の一人で表の顔は神主の井沢がこそりと耳打ちしてくれた。
「あの紋様は、国富神社の物ですね」
あぁ、そうか。寺町の頭の中の霧が晴れる。国富神社と言えば確か何度か詣ったことのある比較的地元では有名な神社だ。と、いうことは。
「あいつ、神主か?」
井沢が応える。
「いえ、あそこの神社にあのように若い神主はいなかったはずです。」
「おい、何をこそこそ喋っておるのだ!」
正体をあと一歩のところで掴めていない俺たちに鞍馬が不機嫌そうに言った。