たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第7章 大いなる約束の大地チンギスハーン
目の色が変わった。それは決して比喩などではなかった。
今、彼の目は鈍く金色に光っていた。その目の光は鞍馬が上位能力者及び人外である証拠であった。
「あんた、一体何者なんだ?」
鞍馬にそう問いかけながら右手を上げる。その瞬間、一般客のフリをしていた捜査員が全員、彼に銃を向けた。
しかし、鞍馬はそれを一瞥しただけで、何の反応もしなかった。
「おい、鞍馬さん」
「…………」
「おい、聞いてるのか!!」
「…………………」
「おい!!!」
相変わらず無反応な鞍馬に業を煮やし、その肩を掴む。
その時膝から力が抜ける、そのまま視点が反転して、気がついた時には床に倒れていた。
「主!!」 「「寺町さん!!」」
髭切と捜査員の悲痛そうな声が右耳から入り、左へと抜けていった。