たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第7章 大いなる約束の大地チンギスハーン
「忙しいところすいません。松江署の内中原ですけど、入っていいですかね?」
慌ただしい雰囲気が伝わってくる大部屋の前で内中原が声を上げ、中へと入っていく。ちなみに俺と髭切は外で待機だ。
「ねぇねぇ主、あの「とろんぼーん」って楽器面白そうだったね」
「あぁ、そうだな。でも今話しかけんな」
「どうしたんだい主。もしかして緊張しているのかな?」
「黙ってろって!」
マイペースな相棒の相手をすること十分。「失礼しました」と扉の前で内中原が頭を下げながら出てきた。
「どうでした?」
「ええっとね…今は忙しくて時間が無いって言われました。でも今夜の八時に大橋のドイナルに呼び出すことには成功したよ」
ドイナルとは普段は普通のバーであるが、松江署がおとり捜査の時などに使用する便利な所である。
「だから寺町君。手配よろしくね」
そう言うと内中原は俺の肩をポンポンと二回叩いて何処かへ走り去ってしまった。