たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第6章 甲音
主に呼ばれ側へと近付く。主の体に付着した精液が歌仙の罪悪感を掻き立てた。
どうしてこの様なことができたのだろうか? 自分にも分からなかった。普段の自分ならたとえ誘われても主の様な二十歳にもなっていない青年など抱こうとも考えなかったのに。そんな考えが頭を何度も巡るが全く答えは出なかった。その時
「歌仙…さん。顔を上げてくださ…い」
主が命じた。少し悩んだがゆっくりと顔を上げる。そこには今までのような大人な雰囲気を作ろうとしていた彼はおらず、泣くのを必死に我慢している童のような主がそこにはいた。すると
「……なさい」
主の口から何か言葉が洩れるが聞き取れず。耳を澄ませる。
「ごめんなさい、歌仙さん」
今度はしっかりと聞こえた。そして、その後も主の口からは謝罪の言葉が止まること無く溢れた。