たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
「当日は出雲郷楽器に行っていました。遡の事件について連絡を受けたときはそこの主人達と話していました」
「出雲郷楽器ですか。私もあそこはよく行くんですよ。今使っている楽器だってあそこで買いましたよ」
「内中原さん、話がずれてます。確かにいい楽器屋ですけど…」
「ええ?」と鞍馬が首をかしげるが、俺も警察音楽隊でユーフォを吹いている。なので、消耗品などはいつも出雲郷で買っていた。
「そうなんですか。寺町君も行きつけだったんだね。おっと、話がずれましたね。ええっと…じゃあ次に遡についてなにか印象的だったこととかってありますかね?」
「そうですね。遡は拳銃の扱いに慣れていた気がします。それに…」
この後、三十分ほど事情を聞いたが、遡についての手掛かりは得られなかった。