たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
引き戸を開けると、そこには二人の背広姿の男が立っていた。
一人は見事なバーコード頭に時代を感じる銀縁眼鏡の男だ。なんとなく、昔の学校の先生に似ている。そしてもう一人は…
「松江署の寺町です」
国矢との通信の際に、後ろに立っていた THE刑事の男、寺町であった。
「あ…同じく内中原です」
寺町に倣ってバーコードさんも自己紹介と共に警察手帳を出した。
「今日は、遡について話を聞きに来ました。お時間よろしいですかな?」
手帳を仕舞いながら寺町は有無を言わせぬ口調でこちらを見る。仕方ないので「城護先生は今日居ない」了承してもらって、本丸に上がってもらった。