たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
土方が撃たれてから十分が経過した。必死に圧迫止血をしたが結局は無駄であった。
一応脈を計るため首に指を当てる。しかし生きている体のように脈を感じることは出来なかった。
「土方歳三 死亡確認」
最後にそう呟くと、今までの疲労が急に体に表れる。感じたことの無い無力感が体を包む。
土方の少し開いている瞼をそっと閉じると。現世へと帰る装置を起動する。もうこの時代でするべきことは無くなったからだ。
「また会おう刀剣諸君。今度は歴史を修正してみせるよ」
現世へと転送される前に彼らに言い残すと、現世へと転送された。