たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
「市村が、、死んだ?、、俺の、、身代わりになって?」
心底受け入れられない、そんな心情が見てとれる。
「そうです。市村君はあなたに生きてもらいたいと思って自ら身代わりになったんです」
「だから」と言って言葉を繋げながら、チラリと土方を見る。
「あなたが生きるのは市村君が命を懸けてまで望んだことなんです。言ってみればあなたが生きるのは「義務」 です」
がっくりとうつむいたままだったが、「いいですね」と確認をとれば小さく頷いた。
「じゃあ、そろそろ行きましょう。遅刻したら大変ですしね」
項垂れて動こうとしない土方の腕を掴んだその瞬間、首筋に刃が当てられる。
「やっと、追い付いたぜ。さぁ土方さんは返してもらうぜ」
めんどくさいことが増えたなぁ。心の中で遡は呟いた。