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たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための

第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動


介錯といえば首を断ち切るのが普通であるが。どうしても首に刃を入れることが出来ず、結局、心臓を一突した。

刀を伝わり、魂が抜けていくのが分かると、素早く引き抜く。それと同時に市村の体がゆっくりと倒れた。

「穴掘るぞ。このままじゃ市村が、かわいそうだ」

刀に付着した血を懐紙で拭いながら二人に同意を求める。二人共、無言で頷いた。

薬研の体が大きかったお陰で穴はすぐに掘れた。その中に市村を優しく横たえる。

手を胸の上で組ませ、最後に国広が涙ながらに市村の刀を墓穴へと入れた。

「さらばだ、市村鉄之介。お前こそが、真の武士だよ」

短く賛辞の言葉を述べ、黙祷を捧げる。それが終わると丁寧に土を被せた。
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