たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
「そんな事はどうでもいい、とにかく土方殿を離せ、切り捨てるぞ!!」
照れ隠しなのか市村は声を張り上げ威嚇する。しかし遡の前では無意味だった。
「そうかい、じゃあ切ってみな。ほらほらそんなんだったら土方さんが悲しむぞぉ」
遡は冗談半分にどんどんと近づいていく。しかし市村はそれでも刀を振り上げた状態で振り下ろさない。どうやら土方に己の刃が当たることを恐れているらしい。
遂に壁際まで寄せると、特殊加工した手袋で刀身を掴む。
「クソ!!」
そう言いながら今度は脇差を手に取ろうとするので、間合いを詰めて「ある事」を彼に囁く
「腰が痛くて動けないのかな?昨日は激しかったもんね」
その瞬間、市村は驚きに目を見開き。脇差を手から落とした。