たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
「遡」
和泉守と接触する前、土方を眠らせ廃墟を出ようとしたその時、一人の精悍な顔の青年が自分に刀を向けていた。
「貴様、今すぐ土方殿を離せ!!」
言っている事は威勢がいいが、腰が引けている。これならば倒すのにそう時間はかかるまい。
「おい、聞こえているのか? 離さぬのなら、この新撰組、市村鉄之助が相手になろう!!」
市村、その名前に遡の脳が反応する。もしかしたらこいつは使えるかもしれない、と
「そう、、威勢は良いけど、刀が震えてるよ?」
その為にもまず、相手を興奮させるのはマズイのでボイスチェンジャーを外してから話し掛ける。
そうやって指摘をすると、瞬時に彼の頬が赤く染まった。