たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
遡が倒れている土方さんの横に立つと。銃だけをこちらに向けながら器用に土方を背負おうとしたその瞬間、遡へ向かってダッと走り出す。
その時、自分の前に人影が現れる。それは先程まで倒れていた相棒堀川国広だった。
「国広!?」
「兼さんだけかっこいいところ持っていかないでよね!!」
脇腹を赤く染めながら、背を向けている遡に向かい国広は体に残っている全ての力を使って己の本体を叩き込む。
決まった! 誰もがそう思った時。乾いた発砲音が数発その場に響いた。
「邪魔しないで欲しいって言ったのになぁ」