たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第4章 休符
失言だったか、そう思い謝ろうとすると、城護様の笑顔が目に入った。
「彼はオーボエだったよ。彼は昔から変わっていた生徒でねぇ、クラスの中ではいつも孤立してた」
新たに出てきた楽器名にクエスチョンマークが浮かぶ。どんな楽器かは想像すら出来なかった。
「彼は部活の中でも、クラスの中でも虫のように扱われて、いじめられてたんだ。何とか止めようとしたけどまったく効果がなくて、そのまま卒業していった」
「それから十年位してから彼が審神者として働いて、悪事に手を染めてるって聞いたとき。少なからず僕にも責任があると思ってこの仕事を受けたんだ。」
この時、今日昨日きたばかりの自分がどんな言葉を返せばいいのか分からなかった。