たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第4章 休符
「その『ぴっころとらんぺっと』と言う楽器はどの様な音色なのてすか。」
今まで邦楽などしか聞けなかった一期一振にとって、この西洋出身の楽器の音色は創造できなかった。
「聞いてみるかい?」
「はい、是非お願いします!」
「よし分かった。」そう言うと城護様が大きく深呼吸をする。それが終わると唇を軽く巻き込ませ、吹き口をそこに当て、息を吹き込む。
初めて聞いたトランペットの音、それは雅楽に慣れていた一期一振にとって、未知の音だった。
朝顔の花に似た穴から出る音は、まるで薄暗い早朝に現れる朝日の様に眩しく、そして暖かい音であった。