たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第4章 休符
しかし、それは簡単な事ではなかった。まず主がいない状態になってから、なおかつ話を聞いてもらえる時間も必要だ。
(どうしたらいいのでしょうか?)
そう考えている間にお酌をし終わってしまった。こうなっては長居出来ない。
「失礼いたしました。」
空いた皿を幾つか持ち一礼をしてから部屋を出ようとしたその時。
「ちょっと待って、えっと一期一振君。」
「はい?」
城護様に呼び止められる。柔和で赤みを帯びている顔が笑顔を作る。
「こんなおっさんとじじぃで話していてもつまらないんだよ。ちょっと話相手をしてくれないかい?」
突拍子もないことだったが、一期には絶好のチャンスの様に思えた。