第9章 体育祭
タツさんの香り。甘くて、少しタバコの匂いがする。
なんだかとても安心する。
「タツさんに汗がついちゃう。」
「別にいいよ。お前の汗だろう?」
3分ぐらいだろうか私達は抱きしめ合っていた。
「あ、手作りプリン食べなきゃ…」
私は女の子達が持ってきてくれたプリンを取り出し、一口食べた。
プリンは冷たくて、ツルッと喉を通った。
甘くて、カラメルソースがほんのり苦い。
このプリン、恋みたいだな。
私はプリンを完食した。
「美味しそうに食べるよなー、俺も食べたかった…」
タツさんはショゲた。
「タツさんはダメです!私のファンからもらったものですし、タツさんが他の人の手作りの物を食べていたら、こっちは複雑なんです。」
「遥、家帰ったら襲うかも…」
「嫌です。」
内心、嬉しいのか恥ずかしいのか…