第6章 愛?愛、愛…
anotherstory〜神谷side〜
俺は最近、恋をしたみたいだ。
もう、おっさんになるってのに…
アフレコ現場に来た時、いつも笑顔の彼女遥がいた。
普段は「遥ちゃん」だなんて呼んでいるのに、
自分の中では呼びつけだ。
いつも彼女の笑顔に助けられてきた。
でも遥ちゃんの様子が最近、おかしいんだ。
もちろん、家の事情や友達関係、学校などいろいろあるけど
彼女はそんなことに悩んでいない。
直感的にそう思っていた。
今日もアフレコ現場に向かった。
アフレコ現場ではよく入れ違いに彼女に会う。
いつも「おはようございます」って、
でも、彼女には会わなかった。
なぜなら、彼女はベンチに座り込んでいたからだ。