第5章 イベントは大成功⁉︎
「まぁ、遥ちゃんは訳ありだしね。」
神谷さんは私の事を知っているらしい。
小野さんも深く頷いた。
「2人とも私の事を知ってるんですね。」
「そうだね。お母さんがモデル会社の社長とか、遥ちゃんが天才少女って呼ばれてること…」
「少し怖いですよ神谷さん。」
この人達になら明日の事を言ってもいいだろうか。
「あの、皆さん。少しお話しがあります。」
先輩方は振り向く。
「明日、母に会うんです。
モデルのお仕事の件についてなんですが…
会いたくないんです。母に…」
私は涙が溢れてくる。
「あれ?どうして?」
「泣くな。俺がついてるからさ」
タツさんがハンカチを貸してくれた。
「俺じゃなくて俺たちだろ?」
とマモさんのツッコミが入る。
そのやりとりに思わず笑ってしまった。
「ふふっ」
「やっぱり遥ちゃんは笑ってるべきだよ」
小野さんが頭を撫でてきた。
「私は、もう帰りますね。明日の事もあるし少し休みたいんです」
「じゃあ俺、送ってくよ」
タツさんは気付かっててくれた。
「達央くんよろしくねー」
神谷さんたちは手を振りながら歩いていった。
「タツさんすみません。なんだか気を使わせちゃって」
「いーや別に気なんて使ってないよ」
ニコッと笑ってくれた。
「それより…気になったことがあるんだけど、どうしてお母さんに会いたくないの?」
「これは私の思い込みかもしれないんですけど、母は私をお金稼ぎの為に使ってるんじゃないかって思っちゃって」
「俺は家庭事情をどーのこーのできないけど、俺は遥の愚痴を聞いてあげられるし、出来ることならなんでもする。
だから、もっと人を頼れ!」
タツさんは真剣な眼差しで私を見つめてきた。
「あの、本当にありがとうございました‼︎
お礼をしなれば…」
愚痴を聞いてもらっているうちにマンションについた。
「じゃあさ…」
_ギュッ
タツさんが私を抱きしめてくる。
「た、タツさん?」
「俺、お前の事を好きだわ。」