第6章 吸血鬼の部屋。
「レディ、どう。少しは楽になった?」
彼が問えば彼女は青白い顔で首を振る。
どうやら今日は吸いすぎたらしい。
「じゃあ温めようね、レディ」
羽織っていた緋色のガウンを脱ぎ、フリルのついたブラウスを開いて寝台に横になる。震える彼女を腕に抱き込み肌に押し当てる。
「血を蓄えたばかりだから暖かいだろう?」
吸血鬼は抱いた彼女の編み上げのコルセットをほどきながら云う。
胡乱に彼女が頷く。
「気高い君が好きだよ、レディ、マイロード、我が主、ファレン」
青白い手が下着を脱がしていく。
ぎゅっとパンツとストッキングだけの彼女を抱きしめる。