第5章 花売り【ドルイアド】
「今日も花を売ります。良かったら見ていってほしいです」
空の赤を写す白いワンピース姿のユリシスが両手を広げて歌う様に云う。
「綺麗な綺麗なお花ですよ、コレぇ」
ゆったりとした空色のロンパースを纏うフィガロはシシッと笑う。
「……」
猩猩緋のフリフリとしたシャツとパンツを履いたドルイアドは所在なさ気に立っている。
「セリフ忘れたですか?コレ?」
フィガロに横から肘で突かれドルイアドは眉を寄せながら顔を上げた。
「皆様、どうか、…このNightrideの花を買って下さいませ、でさぁ」
尻すぼまりになっていく言葉に、ユリシスが苦笑いをする。