第4章 吸精鬼の部屋
「はぁい、じゃあスペシャルコースいっきまーす!」
にっこり、と屈託なく笑いベルニナは彼女を抱き上げ整えられた寝台に運ぶ。
優しく掛布を退けたシーツに主を下ろしうつ伏せにする。
顎の下に枕を入れて楽にしてやり、オークルの彼女の肌を撫でた。
「疲れてるでしょ?でも、大丈夫。明日の朝にはいっぱい元気になれるから♪」
ベッドサイドにあるチェストから真っ赤な瓶を出す。
「さあ、いつものいくよ?」
瓶の栓を抜き、中身を手の平に垂らす。
琥珀色のトロミのあるそれは淫魔の秘術が尽くされたオイルだ。
桃源郷カダスで育った魔の物の精を吸わせた花から精製したそれは本能を揺さぶる甘香を放つ。