第3章 首無魔騎士の部屋
「すごく、…寂しかった」
云えば、騎士の腕に力がこもる。
「俺もですよ」
騎士の言葉に面映ゆそうに笑い、彼女は半身をひねり彼の首に指を巻きつけた。
「抱っこしてぃ?」
騎士が頷けば、彼女はそっと指をゆるゆる動かしズラすように首をひねり外した。
前を向き、膝に騎士の頭を抱える。
付いてきたローブを下げ、そのツヤツヤとした菫色の頭のてっぺんに口付けた。
「会いたかった、ネコ」
頭を回し、耳元に囁く。
「俺もですよ、とても…とても会いたかった」
純朴で忙しい主。
癒されたい。ただ癒されたいのだと云う彼女が好きだ。