第11章 竜王の部屋
「良い。侍れ」
王が椅子につく。
そして手を差し伸べる。
一一一体何なんだぜ。
彼女は今まっ金金の玉座にゆるりとかけるデュランダルの膝の上で猫ヨロシクうつ伏せにされていた。
ネコの様に横抱きにされるでもなくうつ伏せで背を撫でられているのだ。
「さて……我も仕事とやらをするか。ああ大儀大儀よ。で、ある。ファレンよ、女としての最高の快楽とは何とする?」
一一この王様何云ってるんだ?
けらくて。王様がけらくとか、何だかイケナイ感じがする。
でも答えないと又折檻されるだろう。
「わ、分かりません」
何となく敬語になる。
それに『快楽』とか行き成り云われても分からない。
「お前はここに快楽を求め来ているのであろう?分からぬ筈あるまい」
ククッと笑い満足気に彼はファレンを撫でる。
その仕草は優しく一一ながらもねっとりとしていて彼女は身をよじる。
「んっ、くっ、ゃ、ん」
漏れた声にハッと彼女は口を押さえた。
又折檻される!
「うむ。好い。……好い聲で啼く猫だ。嫌いではないぞ。我はこの館を贔屓にする者に最高の快楽を与える者……さぁ、我に身を委ねよ」
バッと行き成り仰向けにされる。
「ひゃぃう?!」
前髪を掻き上げられた。
「初い顔をしているな。で、ありながらこの館の妖鬼共を手玉に取るとは何たる淫婦。楽しみよの」
「ま、またまたご冗談を……」
「我が冗談を云うような男に見えるか?」
ギラリ、と翠緑の瞳が危うく光る。
白い手がスカートを捲くる様に足を撫で上げた。