第10章 【VIP】屍鬼の部屋
「いっ、だ…………く、ない?」
いつもなら指だけですら痛みを感じるはずの場所はやすやすと二人分の指を咥え込みまだ足りぬとばかりに吸い付く。
「今なら俺っちの腕丸ごとだって入るぜ?」
一一やってみるかい?
笑う屍鬼に彼女は真っ青になり首を激しく横に振る。
「怖がらせてどうするんです、マリアクレア。よしよし、主様、このおじが桃源郷を見せてあげますよ」
涙ぐむ女主人を抱きぽんぽんと頭を撫でユリシスは徐ろに口の中に手を入れた。
「ふぇ?!」
かぱり、と白い指が歯列を取り外し、彼女はそれにすっとんきょうな声を上げた。
ふっと笑い上下の歯を外し彼はかがむ。
硬い物が除かれた口が蜜口に吸い付く。
引っかかるもののないやわらかい口が舌が粘膜を中の内蔵を舐め、吸う。
「ひぁっ、ひゃぁ、ん、ふぁ、ん、ンッ」
彼女の口から甘い嬌声が漏れ出す。
「あむっ……んむっ、はがないふぁら、いはくないでしょ?」
「見ないで、舐めないで!やぁ、恥ずかしいっ」
足をしっかりと広げられ歯の無い口でされる愛撫に羞恥するファレン。
しかしその姿は二人の少年を悦ばせる効果しかない。
「じゃあ目隠ししてやるサァ」
マリアクレアはバタバタと身を捩る彼女の頭を抱き手で目を覆う。
「好きですよ。主さん」
ユリシスは云い熱烈に目の前の粘膜に口付ける。