第10章 【VIP】屍鬼の部屋
あの紅薔薇を溶いた様な酒もつい美味しくて一瓶丸々飲んでしまったし感覚が鈍っているのだろうかとミュラーは考える。
「じゃあ今度は生でィクかい?」
いたずらっぽく笑い無邪気な声でマリアクレア。
「その後は三人でお風呂、ですね」
ユリシスも笑う。
二人は横になった女主人の頭上で頬をつつき合い
キャラキャラと笑い合う。
「仲良しさんね」
両手を伸ばし彼女は二人の頬に触れた。
「「あったかい」」
二人が手を取りうっとりと呟く。
添えられた少年達の手は冷たい。
「もう、好きっ」
何だかたまらなくなり二人を抱き寄せる。
「今夜は主さん甘えたがりかい?」
ガッと布団に肘をついて床ドン状態で云う彼はすっかり仕事モードの男の顔をしていてファレンはカッと赤くなる。
「ふふっ、赤くなって主さん可愛い」
ユリシスは逆に聖女の様にやわらかく笑いちゅぅっと優しく彼女に口付けた。
小さい分上から見下ろして二人は笑む。
「体は…大丈夫ですか?主さん」
ユリシスは枕元の飴玉を一つ取り口に入れながら問う。
「え、ええ。お酒…飲み過ぎちゃってホワホワするけど」
彼女の体はほこほこと熱を持ち冷めない。
むしろ時を増す毎に熱くくすぶっていく気さえするが気分は悪くない。