第2章 屍鬼の部屋
室内電話でオーダーを流せばユリシスが又腕の在庫を作らねばならぬとため息をつく。
それにカラカラと笑い、彼が腕を取りに来るのを待つ。
浴室でミュラーは髪を清めていた。
今日はじっとり湿った暑さで、空調の効いた室内から数分出ただけで体がぶわっと汗ばみ粘ついた。
一日の作業をこなし、ここに来るのが楽しみで昨晩は風呂で隅々まで磨いてきた。
愛らしい少年を買うのは彼女の生活の中で最上の贅沢だ。
「主さん、入るぜ」
浴室の扉が開き全裸の彼が入ってくれば、彼女は自らの体を隠しながら目をつむる。