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愛のNight raid
第2章 屍鬼の部屋
今夜の主は前から彼を呼んでも乱暴は一切しなかった。
ただの一度も痛い目に遭わされた事はない。
人は魔物に親近感など持たないものが殆どで、この娼館という閉じた空間では尚それは際立った。
魔物の彼等を買う人々は死してなお鈍くも痛覚を持つ彼を思いやったりしなかったし、払った金子だけのサーヴィスをさせた。
だが、彼女とは穏やかな、普通の人と接する様な時間しか過ごしてきていない。
すっかり暴虐に耐性をつけた体はそれに物足りなさを感じる。
けれどそれに反する愛しさを人一倍感じる。
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