第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
「ぇー、ひどっ、ずっと一緒にいるボクより主ちゃんがいーのぉ?」
少年の肩口から顔を出してベルニナ。
「旦さんは……大事な友達だから……」
素直な従者の言葉に淫魔は僅かに顔を赤らめ半眼になる。
「もー、フィガロ、バカッ!早く主ちゃんに傷物にされちゃえ!」
ホラホラ、と桃色に色付けされたベルニナの爪があかい鱗をなぞるとフィガロはプルプル震えた。
その姿の愛らしさにゴクリとミュラーは唾を飲んだ。
今まで女として生き、性的にも奉仕される側であった。
けれど……、
一一抱きたい。
それは純粋な支配欲。