第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
「はぁ……すごい、……ボクのよりおっきい……」
ちゅっちゅっと忠誠を誓う様にソレに何度もキスを落とす。
「さ、フィガロ」
人魚は褥に横になる。
パシャリ、と吸精鬼は水差しから従者の足に水を振りかけた。
ワサワサと白いながら健康的な皮膚から青緑の鱗が生えてくる。
それが脚を覆い隠し最後にツルンと水掻きがうまれた。
「ここ、触ってみて?」
四つん這いになる少年の鱗の中に一枚、暖色の物がある。
ミュラーは従者の主に云われるまま、そこに触れた。
「ひゃぁんっ」
柔らかい。
明らかに鱗とは違う感触がして少年は身悶える。
「さ、はやくこの膜を破ってフィガロを大人にしてあげて?」
ベルニナは硝子の水差しをテーブルに置き少年を抱いて寝転ぶ。
まるで脚を広げさせる様にヒップにあたいする場所を掴む。
みろっと柔らかな緋桃の鱗一一膜が伸びる。
「良いの?」
ミュラーの問いかけに主に縋りながらフィガロは振り向く。
「オレ、は、初めては嬢さんがい、良いっ」
ボロっと大きな涙の雫が溢れる。