第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
一一心の水。
人間の感情の淀み。
それを口付ける事で吸い取り専用の器官に溜める事でマーマンは陸で息を出来る。
ちゅ、ちゅ、と音を立ててオープンマウスキスを繰り返す。
「そんなちょっとずつじゃ足りないんじゃない?」
主人が聞けば濡れた瞳が泳ぐ。
「れも……嬢ひゃんは、だんひゃんのらから……」
舌っ足らずになる少年の言葉にどうした事かと下を向けばオイルに濡れた手で彼の足の間に指を差し入れる淫魔が居た。
目で笑いながら口は主人の股を愛している。
「今日は『特別』でしょ?」
云って小さな頭を抱き寄せた。
深く唇を重ねて躊躇う様にわななくフチを舌で舐めてやると強く吸われる。
それに舌で応えて抱き合う。
「嬢ひゃん、すきれす……」
「アハ、フィガロ、おちんちん硬くして主ちゃんに告白して興奮してるんだねぇ」
淫靡な事をしているのに妙に無垢な二人が愛らしく笑う。
「じゃあ、主ちゃんの準備フィナーレ!」
口付けを繰り返すミュラーと従者を捨て置き、この部屋の主は股座に顔を埋めた。