第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
首を傾げる主に、ぷんぷんと口に出して云いながらベルニナは腰に手を当てた。
「ま、所謂『ふたなり』ってやつねー。主ちゃんボクの体ちゃんと見た事あんまないだろうけど『穴』、あるんだよう?」
さす、と意味有り気に足の間を撫でるベルニナ。
「ま、まあ、それが本当だったと仮定して……でも私には無いわ」
彼女は彼女だった。
紛れも無い女である。
『棒』なんかないのだ。
「それは大丈夫!って訳でいっつもボクのお部屋に帰ってきてくれる主ちゃんに特別大サーヴィスをしちゃいまーす♡」
『ね、フィガロ?』と、何故か従者に同意を求める彼。
否、彼女?
というか彼女達、になるのだろうか。
「ボク達の処女を主ちゃんにプレゼントだよッ☆」
頭を突き抜けるような淫魔の高い声にミュラーはハァと溜息をついた。