第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
「それがあるんだよ。ボクにもフィガロにも、ね♡」
『ね?』と側仕えの少年に同意を求めれば彼はポッと健康的な色の肌を赤く染めた。
「フィガロ達人魚ってね、水の中にいるじゃない?出会いないじゃない?だから成人すると他の種族と交配出来るように体が雌雄同体になるんだよぅ?」
ニコニコ笑う吸精鬼に主人は頭に?マークを浮かべる。
「フィガロ、それはおめでとう。特に何も用意してなくて御免なさい」
云うミュラーにいやいやとフィガロは首を振る。
「あの……うちの旦さんはこんな成してますが、その……女なんですコレ」
フィガロの言葉に主人はふぅと溜息をついた。
「エイプリルフールはまだ先だった筈だけど」
呆れた様な声にベルニナはぷぅと頬を膨らませる。
「嘘じゃないもん!ボク女の子なんだからねー」
何度も主人は彼の体を見ているがその体躯に女性らしさ等一切無かった筈だ。
硬い胸板に引き締まりくびれの無い腰。
薄い尻に骨ばった足。
どこをとっても女性ではない。
大体、彼女は毎回彼の男性器を受け入れている。