第8章 【VIP】吸精鬼の部屋
最近気に入りだというパッションイエローとマットなピンクの混ざった彼の頭髪は綺麗に巻かれ、腰でラインの絞られた尻丈のチュニックの白によく映えた。
下にはシンプルな光沢のある細みの踝を出すズボンを履いているのが又彼の細さを際立たせた。
今日はソウイウ気分なのか足元は穂先の尖った女性物のハイヒールだ。
フィガロに世話を焼かれ何とか客の居る室内で身支度を整えた彼はニコリと笑う。
「あのねー、今日は主ちゃんにお水揚げをしてもらいまーす♡」
彼の言葉に主人は眉を寄せ苦悩した。
「あなたもう何年もここにいて、今更それはないでしょう」
彼女がここに通い始めた時から彼は働いている。
今更他の主人達が触れていない部分などないだろう。
一一ここは結局娼館なのだ。