第8章 東の海(イースト・ブルー)
口調は優しいが、眼がヤバイ
そして、体が男だから余計にコワイ…
イリスは、コクコク頷き…
(2度とあの名前は出さないわ)
と、心に誓った。
「えっと…グレイスさん?」
(これでいいかな?)
恐る恐る口を開くと
「いやぁねぇ~グレイス“さん”だなんてかしこまらなくていいのよ!?」
「でも、じゃあなんて呼べば……?」
「グレイスと、呼び捨てで構わなくってよ~♪」
「いえ、さすがに年上の方を……」
「これから一緒に旅する仲間じゃないの~♪」
「……ん!?………え!…えぇ?」
喋りながら聞こえた言葉に、頭が追いつかないイリスだった