第22章 赤い船
グレイスは覇気に耐えながら笑顔をつくる
「い……いやぁねぇ~!宴でイリスちゃんから聞いたでしょ?わ……私はグレイス、東の海(イーストブルー)で海賊相手に用心棒やってた、ちょっと手先が器用で彼氏募集中のただの剣士なんだから~」
ほほほ、と笑ってみるがシャンクスは笑ってくれない
宴の時は部下達に気さくに話しかけ、からかわれてもニコニコしていたのに…………
「そう、東の海だ……そこに違和感を感じたんだよ」
シャンクスは東の海で海賊相手に用心棒をしていたにしてはグレイスは強すぎる、と言う
四つの海で最弱の海域 “東の海” そこの海賊に使われるようなレベルじゃないと……
「わ……私がどの海にいようが勝手でしょ~?」
無理せずのんびりしたかったのよ
私って平和主義だから
と、東の海にいた理由を述べていくが、
「そのわりにはイリスと一緒にグランドラインのこんなとこまで来てるじゃないか」
「っ…………そ…れは、イリスちゃんが心配で……」
「トラファルガーには好戦的だったようだが?」
「……………」
シャンクスの真剣な表情から誤魔化しの類いはききそうにないと悟ったグレイス
「じ……」
意を決して話し出そうとした
そのとき
「だれ?シャンクスとグレイス?そんな所で何してんの?」
手にランプを持ったイリスがこちらに近寄ってきた
部屋でシャンクスの覇気を感じたイリスは何事かと心配になり見張りの静止を振り切り駆けつけて来たのだ
「イリスこそ、どうしたんだ?」
部屋まで送ったはずだ、とのシャンクス
その顔は先程までの鋭さは無く、いつものゆるい笑顔だった
「ちょっと覇気を感じて………その、何かあったのかと思って……」
ちらっとグレイスを伺いながら話す
シャンクスとグレイスの組み合わせに違和感を覚えているようだ
シャンクスはそんなイリスの考えが分かるのか、わざと陽気な口調でしゃべりだした