第22章 赤い船
レッドフォース号は島を離れ、目指す所も無く海に漂っている
真っ暗な海の上で、そこだけ賑やかな光にあふれていた
シャンクスは島に停泊したまま宴を行う予定だったのだが、さすがに海軍と船長の首を狙う海賊どもがいる場所ではダメだとのベックマンの指示で沖に出たのだ
甲板はイリスとシャンクスを中心に輪を作り、楽しげな笑いに包まれている
フーシャ村にいた頃の思い出話
ルフィの話
エースの話
マキノさんの話
村を出てからの話
賞金首になった経緯や、祖父から海軍に入れと勧誘されている話
出会った個性豊かな人達の思い出
話題は尽きる事がなかった
ルフィについては、いつもシャンクスの話をしていた事や山賊の家に預けられ死にそうになりながらも強くなった事を話した
相変わらずだなぁと、懐かしみ
早く会いたいと笑いあった
マキノさんの話なると、古参連中はシャンクスに視線を送りニヤニヤしだした
「西の海(ウエストブルー)のお酒を用意して待ってるわ」
との伝言を伝えれば
ヒューヒューと囃し立てられる
父ドラゴンの元での修行
グレイスとの出会い
祖父ガープと確執
ここまでは笑って聞いてくれていたのだが、
鷹の目のミホーク
トラファルガー・ロー
の話になると何故かお説教が混ざりだした
シャンクスからミホークは危険な奴だから近づくなと言われたが、イリスの“ミホークおじ様”発言に
「鷹の目がおじ様ってガラかよ!!」
と爆笑され、うやむやになった
トラファルガー・ローのことは出会った経緯から怒られた
病気になり、死にかけたからだ
空を渡るなんて聞いた事もなく、どんな危険があるか解らないのだからもっと調べてから慎重に行動しろと
これについては教えたミホークにも非難が上がった
次に、グレイスからローとの関係について語られる
「それは言わなくていいでしょ!!」
グレイスの口を塞ごうとするが、周りに身動きを封じられ、グレイスも知らない疑惑の夜について語られる頃には全員の視線がイリスに集中していた
真っ赤になりながら疑惑を必死に否定しつつも、好機と叱咤の視線に耐えられなくなったイリスはベックマンの背中に隠れた