第22章 赤い船
今から向かえにいくぞ
船はどこだ
荷物もってやるよ
いっそ船ごとこっちに来いよ
あれよあれよと言う間にイリスはシャンクスのペースに乗せられ、船へと案内させられていた
(こう言うのを遊び人って言うのかしら?あしらい上手かな?)
道中も懐かしい話に花が咲き、退屈させない
ナチュラルにレディファーストが出来ている
子供の頃には気づかなかったシャンクスを知れてイリスも新鮮な感動に浸っていた
船に着く前にグレイスについて軽く説明しておく事にした
グレイスは見た目が男だから誤解を受けやすい
中身が乙女で、女子力の塊で、姉であり、母であり大切な女友達だ、と軽くのつもりが力説してしまい、シャンクスも若干引き気味だった
だがおかげでシャンクスへの紹介はスムーズにすんだので、これはこれで良かった事にしよう
グレイスの方はと言うと、いきなりイリスが“四皇 赤髪のシャンクス”を伴って帰って来たのだからかなり驚き、顎が外れんばかりにあんぐりと開かれていた
そして、出かける前にあれだけ言ったのに~と、涙ながらに訴えられた
イリスも誤解を溶くため、昔からの知り合いで偶然この島で再会したのだと、決して騒ぎを起こした訳ではないと必死に説明した
イリスの説明が一段落したが、グレイスの不満は収まらなかった
「も~!アンタってどんな体質してんのよ、こんないい男ばっかり捕まえて~」
“鷹の目”と言い、ローと言い、大物だろうがルーキーだろうがイリスの知り合う男は皆、いい男達だった(顔のみ)
極めつけに“四皇赤髪のシャンクス”
グレイスの好みに限りなく近い上玉ぞろい
愚痴るグレイスはシャンクスを置き去りに話をどんどん進め、ローとの思い出にさしかかるころ…………
「面白そう話してんな~?続きは俺の船で聞かせくれよ」
シャンクスがニコニコしながら仲裁してくれた
イリスのこれまで関わってきた男達に興味があるそぶり
早まったか、と思った時にはすでに遅く
有無を言わさぬ笑顔で、二人は大人しくレッドフォース号に向かうことになった