第22章 赤い船
曰く
イリスに会うため、わざわざレッドラインを越え
イリスに会うため、この界隈をうろつき
イリスを偶然見つけ
イリスと二人きりになるため人気のない場所に連れてきた
らしい
わざわざ自分に会いに来てくれた事に感激するイリスだが……
「ありがとう……でもなんで私ってわかったの?それに、あの連れ去り方ひどくない?」
一応手配書が出ている身だし、グレイスとの約束もあったのでバレないように振る舞っていた
外見からは分からないはず
それにあの誘拐まがいの連れ去り方
自分だと分かっていたのなら、もうちょっとべつのやり方があったと思う
ちょっぴり拗ねた感じるで抗議するが、シャンクスは懐かしいものを見るように笑顔だ
「その顔、懐かしいなぁ~変わってねぇなぁ~」
グリグリとイリスの頭を撫で回す
イリスがシャンクスを変わってないと思うのと同じく、シャンクスもまたイリスが昔と変わってないと感じていたのだ
昔は嫌がり突っぱねていたシャンクスの手に、大人しくされるがままのイリス
ご褒美だとばかりにシャンクスが答えてくれた
イリスを見つけたのはシャンクスの“覇気”で、本当に偶然らしい
イリスを捜してこの海域をうろうろし、人通りの多いところで聞き込み、情報収集、“覇気”の活用を繰り返していたらしい
そうした地道な努力のかいあり、今日めでたく発見出来たという
そして、その努力のせいで自分の噂も広まってしまい、この島にもかなりの海兵と海賊がいる
そんな中、自分が大通りでイリスに声をかければいらぬ迷惑がかかると人気の無い場所まで連れ出したのだ
手荒になったことは申し訳ないと謝罪もしてくれた
「そうだったの……ありがとうシャンクス」
イリスはシャンクスの気づかいに感謝し
「そしてごめんなさい…………」
不審者扱いで足を踏みつけ、肘鉄を打ち込み、蹴り倒そうとした事を謝った