第21章 砂の国
アラバスタ王国ナノハナ海軍駐屯地
エースに巻かれ、麦わらに逃げられたスモーカーはその一味の中にこの国の王女ビビがいることについて考えていた
行方不明だったはず
それがなぜ海賊と一緒に行動しているのか
麦わら、王女、アラバスタ、反乱、そして
七武海 クロコダイル
海賊であり政府にそれを許される存在
スモーカーは元々七武海が嫌いだ
上層部は飼い慣らしているつもりだろうが“海賊はどこまでいこうと海賊”
誰かの下に付くような矮小なやつが、このグランドラインを勝ち残ってこれるはずがないのだ
絶対に何かある
それを確かめる為にも、まず麦わらを捕まえなくては…………
スモーカーがそう決意している横で副官たしぎは隊員達と何やら話あっている
「“麦わら”を見たわね?」
「はい、全く似てませんでした」
「本当に姉弟なのかしら?」
「それはクラブの中でも意見が別れるところです」
「絶好の機会が…………」
「う~ん?とりあえず報告を……ふぎゃっ!!」
たしぎの頭に拳骨が落ちた
麦わらを追ってる最中、逆方向に向かってる様なぬけてる部下だが真面目で根性もある
しかし、だからといって仕事中の無駄話を許す訳にはいかない
「何、遊んでんだ!!」
スモーカーの一喝にビビるたしぎと、その部下達
取り逃がした事で緩んだ雰囲気を引き締める意味合いも込めたのだが、たしぎ達は不満顔だ
「遊んでません!これも仕事なんです!!」
たしぎ曰く
“麦わら”の手配書が出た時、話題になった“麦わら”の姉モンキー・D・イリスのファンクラブが海軍内に存在するらしく
会員は“麦わら”の姉イリスに対する情報収集が義務付けられている
そして、ウチの部隊にも会員が存在しているらしい
”対象者の弟“、という絶好の情報源に出会ったそいつらは、いつになく気合いが入っていたようだ