第21章 砂の国
海兵のど真ん中に突っ込んみ、襲いかかってくる敵を次々と吹っ飛ばしていくルフィ
数だけ揃えても能力者にかなう訳もなく
一部海兵らの密かな野望はあっさりと破れた
ただ、ルフィをこの場に留め置くことには成功したようで後方からスモーカーがルフィ目指して走り寄ってきた
「ホワイト・ブロー!!」
回りに気をとられていたルフィの背後から白い煙が襲いかかる
捕まってしまったら逃げ出すことは
今のルフィには出来ない
「ぐっ!!!」
万事休す、かと思ったその時
「“陽炎”」
轟音と共に炎の塊が煙を遮り、スモーカーの攻撃は霧散した
ルフィは無事に仲間達と合流した
途中、また海兵に追いかけられたりもしたが、スモーカーさえいなければ逃げ切る事はたやすい
メリー号を出発させ
仲間達から騒ぎを起こした事を叱られ
ローグタウンのケムリ男がいたことを伝える
そして、エースに助けて貰った事も
「何ぃ?お前の兄貴がこの国に?」
「しかも能力者だと?」
「それって前に言ってたお姉さんの……?」
「おう!エースだ!オレもびっくりしたぞ~昔は悪魔の実なんて食ってなかったからな!」
昔からエースには一回も勝った事が無いと言えば、みんなルフィの強さを知っているので唖然する
「生身で?あんたが一度も?」
「怪物の兄貴は大怪物か?」
「そ~さ!エースは強いんだオレなんか負け負けだった、でも今やったらオレが勝つけどな~」
スモーカーから逃がして貰っておいてその自信が何処からくるのか謎だったが、エースに会えて上機嫌なルフィは大口を開けて笑っている
「お前が誰に勝てるって?」
一足飛びで船に乗り移って来たのは、今まさに話していたエースその人だった
「エ~ス~!!どうしてここに??」
「お前、さっき言っただろ?ここじゃ話も出来ないしアイツを止めとくから先に逃げろって、あとで会おうって」
「??そうだったか?」
逃げ切ることと、エースに会えた驚きで肝心な所をすっかり忘れていたルフィ
そんなルフィの幼少期から変わってない性格に懐かしくなりエースは穏やかに笑う
「相変わらずだなルフィ」