第20章 無理難題からの絶対絶命
(………怖いっ)
今までに感じたことの無いタイプの恐怖を目の前の男に感じたイリスは茫然とした
海楼石で自由を奪われていることもあるが、ここまでの圧倒的な力の差を感じた事はない
《東の海で出会った海賊とは論外(弱い)で、鷹の目は紳士だった》
イリスは言わば“箱入り娘”
幼い頃から周囲の大人は優しかったし、エースに出逢ってからはイリス自身が気づかぬうちに悪意ある者をエースやルフィ、サボ、が排除してきた
勿論、修行の為に訪れた革命軍でもドラゴンの愛娘として丁重に扱われ、おかしなことをしてくる者はいない
グレイスと出会ってからも、何気に色事からは守られていた
エース以外に触れられる事に耐性の無いイリスのキャパはあっと言うまにオーバーし、目の前の現実から意識を手放した
ーーーーーーーー
(この程度で気を失うとは…………)
ローはイリスが舌を噛んでいない事に安堵するも、男なれしていない彼女にわずかな物足りなさを感じた
これから自分好みに仕立てるのも一興か……
等と思いつつイリスの服を剥ぎ取りにかかる
さっさと既成事実だけでもつくってしまえば彼女を船に留めておける
心が無くとも、今はそれだけでも十分だった
徐々に露になっていくイリス身体
ベットに投げ出された白い身体をじっくり眺めるローは、治療の時から感じていた事を思い返した
真っ黒な髪、紅い唇、白い肌、
引き締まった筋肉は女らしさを残しながらも、しなやかな強さを秘めている
頭から視線を移し身体全体を見た時
ある一点で視線が止まった
「っ…………こいつ……まさか………」
静かな室内にローの呟きが落ちた