第20章 無理難題からの絶対絶命
まったく自覚が無いって恐ろしいわ
グレイスはイリスが言った言葉に唖然とする
『何でもできます』
こんなセリフ
大人の女が言うもんじゃないわよ
それも自分に好意をもってる相手に………
シャチに聞いた経緯からイリスの今の状況がわかったが、グレイスはローが何かよからぬ事を思いつかないか心配でたまらなかった
「お願いします!他の事なら
何でもしますから」
(あっ……また言った………)
グレイスの心配をよそに、ローから代替え案を引き出すため頭を下げ続けるイリス
真剣になるほどローの機嫌は下がっていく
そして
「じゃあもう1つの方にするか?」
ピクリッとイリスの肩が動く
「こっちの方ならすぐに済む、明日の朝には船を出ていけるだろうよ」
顔を上げ、パァっと笑顔を見せるイリス
「します!絶対そっちにします!!」
(ああ~あ~内容も聞かずに)
「もう変更は聞かねぇぞ?」
「大丈夫です!半年待つ事に比べれば何でも!」
「キャーッ!ダメよ!イリスちゃんよく考えなさい!!!」
「大丈夫よグレイス、明日には出発だから!」
(何この自信、やっぱりバカなのかしら?)
グレイスの焦った顔と目があったローは、ニヤリと意味深に笑った
(これはヤバいかも…………)
「今夜一晩、オレのものになって貰う」