第19章 ハートの海賊団にて・その2
ベポが足を止める
ローの後ろから顔を出したのは、会いたいけど気まずくてどう接していいのか、今まさに悩んでいる最中の彼女
(ええと…………オレどうしたら………)
こっそりローからアドバイスを貰うつもりだったのにいきなり出会ってしまった
「…………………………………」
「…………………………………」
ベポもローも突然の事に押し黙る
沈黙を破ったのはイリス
キラキラした瞳でベポを見つめる
「ベポくん、わ……私……私も仲良くなりたいの!ベポくんと!!」
ローをはさんで見つめあう二人
じりじりとベポは二人の距離を詰める
「ホント……?イリスさん………」
コテンと首を傾け、つぶらな瞳を向けてくる
「ホントよ、ベポくん……蹴ってゴメンなさい………」
間にいるローを無視して二人の世界が展開されていく
「いいよ、オレもゴメン………」
ベポはローの真後ろまで近づいていた
合わさる視線、両手を広げたベポはそのままソファに倒れこんできた
「ベポくん………ッ!」
キャッ…と小さく叫んだイリスは目の前にいるローと、その後ろから抱きついてきたベポに押し潰され、ソファに埋もれた
「よかったよ~イリスさ~ん!オレうれし~」
ぎゅうぎゅうと抱きついてくるベポ
もはや間にいるローなど目に入っていない
抱きついてきたベポに押されてソファに埋もれたイリス
今、どうしたらいいのか分からない状況だ
ベポくんと和解できたのは嬉しい
しかし、何でこんなことに?
後ろにはソファがあるので身動きひとつとれない
目の前には船長さんの胸板
鍛え上げられたそこには刺青が施されている
目のやり場に困りながらも、密着している肌からは船長さんの温もりが伝わってきていた
顔に集まる熱を感じたイリス
恥ずかしくてモゾモゾしていたら
次の瞬間、身体を押す力が増した
(うっ……苦し………くない?アレッ?)